スタンフォード式「疲れない体」で学ぶ、疲れの管理

時間の管理や、パフォーマンスを最適化することを求めていったら、自ずと資本である体の管理に行き着くもので、本屋でそんなテーマの書籍を見かけました。

タイトルは「スタンフォード式疲れない体」。

著者は、同大学のスポーツ医局アソシエイトディレクターを務めていた山田知生氏。
スタンフォードって、エリート校としても有名ですが、確かにアメフトなどでも名を馳せる。そんな屈指の文武両道を極める大学のスポーツ選手のリカバリー担当だったそうです。

バリバリにスポーツしたおかげで勉強に力が入らず…ということでは意味がないわけですが、その文武両道を成し遂げる上では、その両方でたまった疲れをいかに取るか、そして疲れにくくするか、「リカバリ」がテーマになってくるわけです。

つまり、「疲れの管理」。
疲れはスポーツ選手でなくても人間であれば避けられない現象なので、知っていて損はない本でした。

【予防】いかに体を疲れさせず、パフォーマンスを発揮させるか

引用したいところは多々あるのですが、この本で主に取り上げられていたのは、「IAP」という呼吸法+姿勢。

  1. 正しい呼吸法をすれば、体の中心(体幹と脊柱)が安定する
  2. 中心が安定すると、正しい姿勢になる
  3. 正しい姿勢になると、神経と体の連携がスムーズになる
  4. スムーズになると、体のパーツがベストポジションとなり、無駄な動きがなくなる
  5. 無駄な動きがなくなると、怪我や疲れを防げる

という理論な訳です。

その呼吸法とは、「腹圧」呼吸法というもの。

横隔膜を下げながら息を目一杯に吸うと、腹腔が上からプレスされる形となり、外側に圧力がかかります。
お腹をパンパンに膨らませたまま(その圧を保ったまま)息を吐くのが、自然に腹圧がかかった「腹圧呼吸」です。

確かに、起きている時間の90%近くは運動していると言うより「立っている」わけで、また生きている間の100%近くは呼吸しているわけで、その基本をまずは疲れにくい仕方とすることは大事。

【解消】いかにしてしっかり疲れを取るか

いわゆるストレッチなどの動的リカバリ、そして交互浴などの方法も細かくて実際的でしたが、改めて実感させられたことは「睡眠」でした。

「睡眠も大切な自己管理の一環だ」という認識がスポーツ選手の間には浸透しているのです。

世界最速のアスリート、ウサイン・ボルトやテニス選手のフェデラーなどは1日12時間は寝るとのこと。
やはり先ずは体を休ませる、ということは大切だと分かります。

また興味深かったのが、量の確保は最低限で、それよりも「睡眠の質」の方が大事ということ。
体が休みやすいような寝る前の過ごし方やコンディション調整が、質に影響する点は、勉強になりました。


この本を買ったのは1ヶ月くらい前なのですが、この呼吸法を意識してトライしてみました。

息を吸うときにお腹を膨らませる、というのはなれないところはありましたが、深呼吸しようとするときそういえば横隔膜を下げようとしていたことに気づきました。
そんな無理な方法ではなく、また体を落ち着かせる効果も感じます。

に姿勢や目線の高さが変わってくると、そして体を休ませようと生活スタイルを意識すると、パフォーマンスは変わってくることは感じます。

英語でのタイトルを見て見ると「The stanford method for Ultimate super recovery」。
スーパーなリカバリ法という感じです。

リカバリ、というとPCがクラッシュした時とか、怪我をした時とかのイメージではあるのですが、日々の生活でもリカバリが必要で大切なんだなと感じます。

「自己管理」ブラッシュアップを目指している方は、まずは読んでみては。

非合理なふるまいで経済は回っている?行動経済学まんが「ヘンテコノミクス」を読んで

立ち寄った書店で目にとまった本、「行動経済学まんが『ヘンテコノミクス』」。
こういうことあるよね、というサザエさんに出てきそうな日常の一コマがエコノミクスにとって意外と無視できない、ということに気づかされる面白い本です。

力を抜いて視点を変えてみる、という面ではウェブ制作をしている人にも役に立つかも。

カバーそでの部分には、こんな説明が書かれていました。

行動経済学【behavioral economics】とは
今までの経済学は、「人間は必ず合理的な経済行動をするもの」という前提で構築されていました。
ところが普段の私たちは、それでは説明できない非合理なふるまいを多くしています。
行動経済学とは、従来の経済学では説明しきれない人間の経済行動を人間の心理という視点から解明しようとする新しい経済学です。

「行動経済学」なんて言われると大学の授業のようですが、近年話題のキーワードです。
それが、コミカルなタッチの絵とセンスあふれる構成で説明されているぶん、わかりやすい本でした。

人はなぜそれを買うのか。安いから、質がいいからというような納得できる理由でそうするとは限らず、またそういう理由だけでは動かないことがあります。

モチベーションの上げ方【上昇選好】

お気に入りはいくつかあるのですが、「週給どんぐり70個」の巻というセクションも興味深いものでした。
この話では質に定評のある「うさぎ自動車」と業界一位の「たぬきモータース」が期間工員の募集を行います。
それぞれ同じ期間、そして同じ給料の募集で、それぞれリスさんたちが応募し働き始めました。
1日目からどんぐりのお給料をもらうのですが、もらったリスさんたちの反応が異なります。
そして日が経つごとに、「うさぎ自動車」で働くリスさんたちの方が、イキイキと働くようになり、それは生産台数という結果にも表れるようになりました。

なんで?!という種明かしは本を見ていただくとしますが、ヒントは「上昇選好」、人はだんだん良くなる方を好む、というセオリーです。
だんだんと給料が良くなるような仕組みがあると、モチベーションや、成果にも関係するというのは、勤続年数、年功序列でアップしていく給与でも証明されていますね。
確かに毎日ワンパターンな生活の繰り返しだとだんだんと気分も低調になる人もいます。


この他にも、「フレーミングの法則」や「メンタルアカウンティング」、「ハロー効果」などよく知られたセオリーもユーモア込めて描かれていていました。

本当にごく普通にありふれたシーンやアイデアかもしれないのですが、改めて取り上げてみることで、自分の生活やビジネスに視点を変えて取り組めるかもしれません。

いつもウェブサイトの設計や動線、いわゆるUXを生業としている人にとっては、「こんな作りにしたらコンバージョン上がる!」と思っていてもそうとは限らないということが多々ありますが、ちょっとしたユーザー目線を取り入れるためのいい刺激になりました。

作者は、あのピタゴラスイッチの企画者。

あとがきを見ていると、この本の作者はNHKの名物コーナーピタゴラ装置の監修など手広く活躍されている佐藤雅彦氏でした。
「だんご三兄弟」の作詞とプロデュースも担当されていたとか。

そういったのびのびとした発想を感じる一冊です。

「力の抜きどころ」に学ぶ、オンとオフの加減をする仕事術

「2割に集中する習慣」というサブコピーが刺さって注文したビジネス書、「力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣」を読みました。

フリーランスをしていると、営業から事務、実作業から経理、資金管理からブランディングまで自分で全てをやる必要があるため、うまくやりくりする上で力の加減が難しいところです。

けれど観点を変えて取り組む上で役立つ提案が載せられていたので少しご紹介。


いくつかささったポイントを下記に並べてみます。

集中力の精度を高めるために、タスク毎の目標時間を決める(p41)

ゴールをどこに設定するかというところですが、「タスクの完成」をゴールとすべきではあるものの、かかる時間が先に見積もりにくい仕事であるほど、「目標時間」を決めておく方がいいのかもしれません。
そしてその目的は、「集中力の精度を高めること」です。
つまり、「タスクの完成」という最終的なゴールには集中して完成させることが不可欠なので、逆に割り切ったり、時間オーバーした時に早く時間を改めて取り分けることに移ることができる、という点で効果的だともいました。

ギリギリになった時こそ、落ち着いて計画する(p53)

焦ってスピードを速めるだけだと質の低下にもつながり、逆効果。大切なのはプロセスを変えること、作業の優先順位を変えること。じっくり計画を練ろう。

やばいぞと思ったら、なんとかこなそうとクロック数あげてプッシュしてしまうもの。いわゆる焦りです。
そんな時こそギアを変えたり、見極めたり、開き直ったりといったことが大事だと感じました。

そしてそんな、再計画が必要な時こそ必要な技術がこちら。

上手に力を抜く人は、シングルタスクで一つのことに集中する(p60)

〜一つの作業をし始めたら、横槍が入ってきても「今は手が離せないから」と後に回し、緊急なら受けて「返事は午後に返すね」と最優先の仕事を完了させる。
〜集中して終わらせることで、余計なギアチェンジが必要なくなる。

仕事が溜まってくると必然的にマルチタスクになってしまうものなのですが、「シングルタスク」とするために上手な後回しをすることも大事。
ここでは諸連絡があげられていますが、集中しにくくさせる要素を少なくする「体制づくり」や「習慣づくり」もそれに資すると思います。

そういう面で組織やチームというのはよくできていて、例えば町のお医者さんでも、診察に集中するために、診察に関連した一連のタスクを全て他の人に任せています。
とある知っている病院では、8:30の診療開始なのに、先生は8:20くらいに病院にきて、そしてすぐ開始できていました。
逆に言えば、8:30にシングルタスク集中するための体制づくり、スタッフ管理がよくでいているわけで、もし一人で行っていれば1,2時間前からスタートだったかもしれません。

ゆとり時間が効率を上げる(p172)

大きなゆとり時間を作る
忙しい毎日でも、ふと安らげる時間を作りましょう。お笑い番組を観る、お風呂で湯船に三十分浸かって好きな小説を読む、などです。このゆとり時間が、自分自身や状況を客観的に眺めるきっかけとなります。

今週は仕事が多い時期だから今だけ仕事時間を多めにブーストして乗り切ろうと思っていても、意外に仕事が減らず気付けば数週以上ブーストモードで疲労困ぱい、ということもあるんではないでしょうか。

「忙しい状態」はもうデフォルトだと認識して、この中で無理矢理にでも安らげる時間を取り分けておくことが大事かもしれません。

「息抜き」という言葉はよくできていて、人間は構造上息を吸う動作特性は備わっていても、意識的に出なければなかなか「息を抜く」というアクションは日常取らないそうです。

緊張状態が長引けば力が入って本来のパフォーマンスが失われる、というのはスポーツの世界だけではなく、頭脳労働やサービス業にも当てはまりますね。


サクッと読めて、力を抜けるいい本でした。ビタミン剤がわりにいかがでしょうか。